ささきあり・作 酒井以・絵 装丁・城所潤(ジュン・キドコロ・デザイン)
フレーベル館 2020年9月11日初版 1400円+税

中高生が利用できる施設、サプリ・ガーデン。
友だちに自分の趣味を言えない瑞希、自分だけはずれていると感じるダイ、変化にとまどうぴよっち、同級生の成績に追いつけない亮。
サプリ・ガーデンで紡がれる4つの連作短編です。
この物語はフィクションですが、私が勤める施設をモデルにしています。
『天地ダイアリー』を書いたあと、今の中学生をもっと知りたいと思うようになり、中高生の施設で働きはじめました。
これまで私は、読者の子どもたちに本の中で気持ちを解放してもらいたいと思ってきました。
現実が思うようにいかなくても、本を読むとわくわくしたり、ほっとしたり、自分もこうなりたい!と思ったり……。
つまり、本の中にサード・プレイスをつくろうとしていたんです。
実際に中高生の施設で働くようになって、現実にサード・プレイスがあるんだとわかり、こんな場所があることを広く伝えたいと思うようになりました。
混沌とした気持ちを抱えがちな10代には、気持ちを受けとめてもらい、いろいろなきっかけをもらえる場所が必要です。
AO入試やキャリア教育が普及しているせいか、今の子は早い時期から自分の「強み」を見つけなくちゃと、すごく焦っているように感じます。
そういう気持ちを整理して、どう考え、具体的に行動していったらいいのかを見つける作業を手伝ってくれる人が必要です。
サード・プレイスがもっと多くの地域にできるよう願っています。
「全国学校図書館協議会選定図書」
「令和3年度埼玉県推奨図書」
「令和3年度福井県優良図書」
「令和4年石川県優良図書」
JBBYブックガイド『おすすめ! 日本の子どもの本2022』に選定していただきました。
