大槌の子どもたちが夢見た復興のシンボル
文・ささきあり
佼成出版社 2017年初版 1500円+税

東日本大震災で、岩手県大槌町は甚大な被害を受け、小中学校5校が使えなくなりました。
大変な混乱のなかでも子どもたちを支えようと先生方は奔走し、学校を再開します。学校は子どもたちにとって「心と体の居場所」でもあるからです。
震災から1年後、佐々木陽音くんは新しく建てる教室をデザインする授業を受けたことで、自分の役割を見つめなおし、より笑顔のあふれる町にしていきたいと思うようになりました。
そして、デザインした学校ができて……。
未来に向かう子どもたちの成長過程を描いたノンフィクションです。
「第3回児童ペン賞 ノンフィクション賞」
「第36回静岡県なつやすみ読書感想画コンクール指定図書」
「第49回長崎県読書感想文コンクール課題図書」
2020年8月31日
このノンフィクションは、震災で学校に行けなくなる、という状況から始まります。
コロナウィルスの感染拡大防止によって学校が休校になり、かつてのような学校の環境ではなくなった現状を見て、どことなく重なるものを感じています。
学校にはルールがあり、同調圧力もありますから、大きなストレスを抱える場所でもあります。
一方で、コロナ禍によってあらためて、人は誰かとつながりたい生きものなのだということが明らかになったように思うのです。
学校はなんのためにあるのだろう?
なくてはならないものは、何なのだろう?
あらためて考えてみたいです。